夜回り先生

[2017年07月02日]

昨日は、お昼にたまたま手術が入っていなかったので検査と処置を済ませた後、

霧島市民会館まで”夜回り先生”で有名な水谷修先生の「いのちの授業」という講演を

聴きに行ってきました。水谷先生は、メディアでも紹介されている通り、中学生や高校生

の非行、薬物汚染、心の問題に関わり、生徒の更生と非行防止、自殺防止、薬物汚染の

拡大の予防のための活動を精力的に行なっています。

2日前のお休みに買い物に行ったとき、たまたまこのパンフレットを目にして講演のこと

を知りました。何かのご縁だったのでしょうか。とてもよい講演でした。聴くことができて

とてもよかったと思います。IMG_0003

獣医療関係の講演、セミナーはよく行っていますが、この手の講演はほとんど聴く機会が

なかったのでとても新鮮でした。水谷先生はとても話が上手で笑いを交えながら、子供にも

わかりやすいように話をされていました(小中学生も参加していました)。内容が具体的な

実話をもとに話しているので、飽きることなく聴けたのだと思います。

会場では先生の隣で同時手話、モニターには同時書記を映しながら聴覚障害をもたれた方にも

内容がわかるようになっていました。

 

今回この講演を聴いていろいろ考えさせられました。水谷先生は、現在の子供たちを取り巻く

様々な問題は社会の問題なのだと言っていました。子供だけの単純な問題ではないと。

このような問題がなくならないのは、社会の中に歪みがあるからだと。とくにバブルの崩壊以降

おかしくなってきたのだということでした。リストラなど真面目に働いても報われない社会、

不信感を生む学校のシステム、落ちこぼれを出してしまう教育制度、いつもビクビクしている子供や

人を信じられない子供をつくってしまう家庭環境。

社会が抱えている問題は、最終的に非行や薬物、不登校、自殺などの形になって現れてくるのだと

いうことでした。

 

このような社会を変えるためには、まずは”家庭”から変えていかなければならないということも

言っていました。家庭では、子供を褒めてあげてくださいと。1日10個何でもいい、どんな

些細なことでもいいので褒めてあげましょうということでした。

私はこれを聴いて、”自己肯定感”という言葉を思い出しました。自己肯定感とは、その字の通り、

自分を肯定する感覚のことで、自分は大切な存在だ、価値のある存在だと感じる心の感覚のことです。

日本の子供たちは世界の中でも自己肯定感が圧倒的に低いらしいです。つまり自分をダメだと思う

子供が、日本にはたくさんいるということです。自己肯定感の高さは、遺伝的なものと子供の時の

育てられ方に大きく影響されるそうです。時には叱るのも必要ですがただ叱るだけでなく、きちんと

褒めてあげる、認めてあげることがとても大切なのだと思います。講演でも水谷先生は、1叱るなら

10褒めてあげなさいと言っていました。

私も子を持つ一人の親として、子供たちが色々な心の問題を抱えるような社会にはしたくありません。

自分たちがやれることから行動し、社会全体を良い方向に向かわせることができるといいなと

思います。今回は、私自身普段考えないようなテーマを与えてもらい、考えさせてもらえてとても

良い時間を過ごすことができたと思います。