事故
[2015年05月17日]
今月は 出張が1回しかなく、パソコンに向き合える時間がたくさんありますので
どしどしいきます。来月は4回ほど出張で出かけるのでちょっとペースダウンする
と思いますが……。
前回は犬のお話でしたが、今回は猫のお話です。
春の今頃の時期には、子猫の診察がよく来ます。それともう1つ多いのが事故にあった
猫の診察です。春はどうしても猫のさかりの時期ということもあり、活動が活発になるのも
影響しているのかと思います。
事故の猫でよく見られるものに、骨盤骨折、大腿骨骨折、顎骨骨折、横隔膜ヘルニア、
腹壁ヘルニアなどが挙げられます。
当院では、猫は室内での飼育をおすすめしていますが、その理由の1つがこの”事故”です。
もう1つは、猫エイズ、猫白血病ウイルスの”伝染病”の感染です。これらの伝染病にかかって
いる猫も多く見られます。今は元気でも時限爆弾のように数年後に発症し、調子を崩して
死んでいきます。
猫を保護されて飼われる方に当院からのお願いです。
まずは、伝染病にかかっていないか検査をしてください。
次に、定期的なワクチン接種を行ってください。
最後に、室内での飼育を行ってください。
飼うからには最低限の責任と義務が生じることを肝に銘じて飼育してください!
ここからは、当院での治療症例を少し紹介します。
まずは、横隔膜ヘルニアの症例です。左は来院時、右は手術後です。
この症例は1ヶ月齢位で体重がまだ700gしかありませんでしたが、手術がんばって
くれました。
次は、骨盤骨折の症例です。右側の仙腸関節というところがずれており、スクリューを入れて
固定しました。
次は、下顎の骨折の症例です。ワイヤーで固定しました。
次は、腹壁ヘルニアの症例です。
どうでしたか?痛々しいですよね!
これらは当院で治療した症例の一部です。他にも開業してから現在まで骨盤骨折や大腿骨骨折
眼球破裂、後肢が踏み潰されたために断脚した症例など多数の症例がありましたが、なかには
病院に来たときにはすでに亡くなっていた仔たちもいました。
ここに載せた仔達はまだ命があっただけでもラッキーだったと思います。
それでも飼い猫を外に出しますか?
猫を外出させている方、もう一度よく考えてみてください。