師匠
[2015年02月01日]
昨年、ウエットラボのセミナーに参加するために横浜に行ってきました。ウエットラボとは、
実際に動物の心臓や眼などの臓器を用いて手術手技の練習を行うことと言います。このときは、
鶏肉や豚の肝臓を使って手術の練習をしました。ウエットラボ自体がなかなか参加できる機会が
少ないので結構楽しかったです。(写真撮影は禁止だったので画像はありません)
実習も楽しかったのですが、アフリカに野生動物の勉強ために留学している知り合いの先生も
たまたま日本に帰ってきて参加していて、久しぶりに会って話ができ懐かしい時間も過ごせました。
夜には獣医大学時代の先輩と久しぶりに会い、飲みに連れて行ってもらいました
先輩は神奈川県で開業されていますが、学生のころからよく面倒をみていただき、尊敬している
先輩獣医師の一人です。いまでも関東に勉強で行くときには気にかけて飲みに誘ってくれます。
本当にありがたいことだと思っています。
先輩と話をすると、”師匠”の話がでてくることがあります。先輩の師匠は、前の勤務先の
院長の事なのですが、私はいつもこの”師匠”という言葉が出るたびに羨ましく思います。
先輩の師匠の話からはいつも師匠への尊敬の念、強い信頼関係が感じられます。
私にも、勤務医時代に厳しいながらもいろいろと教えてくれた尊敬できる先輩方がおります。
忙しい病院でしたのでやさしく手取り足取り教えてもらうというよりは、スパルタで怒られな
がら体で覚えていったような気がします。
今になって思いますが、厳しかった先輩方がいたから今の自分があるのだと感謝しておりま
す。当時は仕事に追われ必死でしたから怒られてありがたいと感じることはできませんでした
が、開業してから自分が上に立って有り難味を身にしみて感じます。
ただ、私の勤務医時代の動物病院は獣医師が10人前後おり、基本的にはそれぞれ各診療科に
分かれて診療をしていましたので私には”先輩=師匠”という感覚はありません。一時期東京の
大学病院に勉強に行かせてもらっていた時がありましたが、誰か1人の先生についてみっちりと
教えてもらった経験はありません。皮膚科の勉強は国内外の学会やセミナーなどに参加し、実際
の症例の治療などにより経験値を増やしてきました。
なので、私は余計に先輩の言う”師匠”という言葉に羨ましさを感じてしまいます。
最近読んだ本の中で、宮本武蔵の言葉らしいのですが”我以外皆我師”という言葉を知りました。
人でも物でも皆、自分に何かを教えてくれる先生だという言葉です。 ということは、今まで私と接
した人や物はすべて私を成長させてくれたということからすると”師匠”なのかもしれませんね。
まだまだ勉強したいですし、可能ならば死ぬまでに何か1つのことを極めたいというのが私の夢です。
私を成長させてくれるすべての人や物を”師匠”と感じることのできる謙虚さを忘れず、日々精進して
いきたいと思います。