セミナー報告

[2014年06月20日]

 先月末に3日間お休みをいただき、AOVET Course  Principles in Small Animal Fracture Management 

に参加してきました。AOとは、Arbeitsgemeinschaft für Osteosynthesefragenの略で、骨折治療に

関する研究グループのことです。VETはVeterinaryの略で獣医ということです。

 今回は何を勉強してきたかというと小動物そのなかでも犬猫の骨折治療についての勉強をしてきま

した。海外では大動物の馬のコースもあるみたいです。

 AOは人医からはじまっていて、AOTrauma(外傷)、AOSpine(脊椎)、AOCMF(顎顔面)と

3つの 部門があり、AOVETはより高度で専門的な骨折治療を目指す獣医師に臨床・教育・交流

の場を提供するという目的で2007年にAO  の1つの部門として承認されました。

 今回の勉強は、座学と実習という形式で行われたのですが、AOがどのような経緯で発足され発展して

きたのかという歴史から始まり、実際の骨折治療の原則、骨模型を使っての手技の勉強まで幅広い内容

でした。(写真撮影は禁止でしたので今回は画像はありません…)

 3日間朝8時から18時位までみっちりの内容で、こんな朝早くから机に座って勉強したのは高校生

のとき以来でしたが内容も濃くとても集中していたのか全然眠くなりませんでした。 前の職場の後輩

や大学の先輩、同級生もきていて色んな話もでき、いい刺激ももらえました。

 今回の勉強で何事も原理原則が大事だということを再認識させられました。とくに骨折治療は原理

原則を守らなければよい結果がでません。つまり、原理原則に外れた治療をすれば、骨はくっつかない

こともあるということです。くっつかないだけならまだしも、骨が溶けてしまうこともあります。

 私は内科治療や外科治療、特に整形外科の手術のときに野球の野村元監督の言っていた次の言葉が

よく脳裏に浮かんできます。

         ”勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし”

 失敗する(治療がうまくいかない)ときには、必ず失敗する理由がある。一方で、失敗する理由が

あっても外的要因や生体反応などの要因により成功する(治る)ということもある。と、私は勝手に

解釈しています。したがって、成功した(治療がうまくいった)としても診断は正しかったのか、

治療法の選択は正しかったのか、もっといい方法はなかったのかと省みるように心がけています。

 失敗した時にはその原因を突き止めることはもちろん大事ですが、うまくいった時こそなぜうまく

いったのか、失敗する要素はなかったのか考えることが、自分のレベルアップにつながるものと

信じています。

 最後にちょっと脱線してしまいましたが、勉強してきたことを皆様にも還元できるよう引き続き、

日々努力していきたいと思いますので今後ともよろしくお願いいたします。