ダニ媒介の新感染症

[2013年02月26日]

今日は、お昼からあいにくの雨でしたね・・・

夕方少し時間があったので調べ物をしていたら、あるニュースに目がとまりました。

”厚生労働省は26日、野外のマダニを介して感染するとみられる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で、2005年 秋に長崎県の60代男性が死亡していた、と発表した。国内での死亡確認は5人目。これまでの4人はいずれも昨年の 死亡例で、原因ウイルスが以前から国内に存在していたことが裏付けられた。  ”

皆さんもすでにご存じかと思いますが、当院にもここ最近よくこの件についてお問い合わせがありまし

た。ペットを飼われている飼い主さんには、マダニは身近な存在ですので、どのような病気なのか

少し説明したいと思います。

病名は、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で、病原体は、SFTSウイルス。

感染経路は、フタトゲチマダニ等のマダニによる咬傷、感染患者の血液や体液との直接感染。

症状は、発熱、倦怠感、食欲低下、消化器症状、リンパ節腫脹、出血症状。

発症まで、6~14日の潜伏期間あり。致死率12%(現在調査中)

治療は、特異的なものはなく、対症療法が主体。

予防法は、ワクチンはなく、ダニに咬まれない、感染者の血液・体液などの直接接触を避けること。

このウイルスの運び屋であるマダニは、衣類や寝具など家の中に生息するイエダニではなく、森林や

草むらなどの屋外に全国的に分布していて、市街地周辺でも見られます。

専門家によると、国内には44種類のマダニが生息していますが、どのマダニがこのウイルスを

媒介するかは分かっていないということです。また、マダニは、草むらや、やぶなどの葉の先端

や裏側にいるほか、山の中では、イノシシなどの野生動物の表面に吸血するため、くっついて

いる場合もあるということです。このほか、ペットの犬や猫などにくっついている場合もあります。

人だけでなく他の哺乳動物もこのウィルスに感染することが分かっていますが発病するかどう

かは確認されていません。

成虫の場合は、数ミリの大きさで目に見えますが、幼虫は1ミリ以下のものも多く、ペットなど

にくっついていても気が付かない場合もあり、注意が必要です。

飼い主さんへの感染予防のためにも、ペットのノミ・ダニの駆虫はしっかりと行いましょう!